般若心経は…
西遊記で有名な三蔵法師が
今から約1400年前に
はるばる天竺(インド)から中国の長安へ
たくさんの梵字で書かれた仏教聖典を持って帰られ
死ぬまでの20年間で中国語に翻訳された
その中のひとつです。

仏蛇となったお釈迦さまが
生前、弟子の舎利子に説いて聞かせたお話を
訳されている、最強の262文字だと言われています。
わたしもこのお経だけは
丸暗記しています。とても奥の深いお経です。
今日はその全訳を
ご紹介しようと思います。
摩可般若波羅蜜多心経
昔、観自在菩薩すなわち観音様が
迷いの世界から
悟りの世界に行く修行を懸命にされたとき、
人間は実は、心も体も一切が仮の姿で
実体は「空」(くう)であることを悟られた。
そして、すべての人を悩みや苦しみから
救われたのだった。
舎利子よ。形あるものは、
実は実体がないのだよ。
目に見えるすべてのものは「空」に他ならないのだよ。
物質は「空」であり、「空」はすなわち
物質なのだ。
人間のカラダも同じ。実体があるようでない。
ないようである。
そしてこれは心も同じなんだ。
感じたり、
思ったり、
働きかけたり、
理解したりする心もまた
「空」にほかならない。
舎利子よ。このように
世のすべてのものは「空」なる相のもとにあるのだから
この世界では生じることも滅びることもない。
きれいも汚いもない。
増えることも減ることもないのだ。
すべて「空」なのだから
知覚・記憶・意志・理解といった働きや
眼・耳・鼻・舌・身体・心といったものもないわけだし
その対象となる色・声・香・味・触・法という世界もない。
ゆえに、眼識界から意識界に至る六つの認識世界も
ないということになるのだ。
「無明」という言葉を知っているね。
これは
「煩悩に惑わされている愚かな様」を言った言葉だ。
そころが「空」の中にはこの無明もない。
また無明が尽きることもない。
それから、人間にとって根源的な悩みである
「老死」もないが、またそれらが尽きることもないのだ。
それから「空」の中には、
よく言う四つの真理
(苦・集・滅・道の四諦(したい))もない。
そして、知恵も悟りもないのだ。
なぜなら、すべては「空」なのだから。
それにこだわりを持つ必要がないのだね。
菩薩たちはこの「空」の知恵・・・
般若波羅蜜を自分のものにしているから
心が何ものにもとらわれない。
だから恐れおののくこともない。
心のこだわりがなければ、
誤った考えにとらわれることもなく
迷いのない安らぎの境地を得ることができる。
それに、
過去・現在・未来の三世にわたる仏さまたちも
この般若波羅蜜を究めることによって
このうえない真の悟りを得たのだ。
したがって、次のようにも言うことができる。
般若波羅蜜を究めることによって、
このうえない真の悟りを得たのだ。
したがって、次のように言うこともできる。
般若波羅蜜は聖なる力を持った真実の言葉であり
偉大な悟りの言葉であり、
これ以上のものはない、まことの言葉であり
他にくらべるものなき言葉である、と。
ゆえに、
あらためてこの般若波羅蜜の言葉を説くとしよう。
その言葉とは…
往き(ゆき)、往きて(ゆきて)
彼岸にたどり着きし者よ。
まことの真実に到達せし者よ。
汝の悟りに幸あれ。
般若心経。
わたしたちがこの世に生まれ
生きていられるのは、わずか80年。
永遠という時の流れから見れば、ほんの一瞬です。
その大切な人生を
いつも何かとくらべ、自分だけの色メガネで
世の中を見ては、イライラして暮らしている人が
とても多く存在します。
わたしもその一人でもあります。
これではせっかくの人生がもったいないと
わたしは思っています。
そういう感情にとらわれそうになったとき、
わたしもいつも般若心経を唱えて
自分を戒めるようにしています。
いらいらせずに、
もっとおおらかに、なれたらいいな、と
思いながら・・・。